アメリカではなぜ妊娠中絶がそこまで大きな政治的争点になり続けるのか

マル激トーク・オン・ディマンド 第1129回(2022年11月26日) ゲスト:三牧聖子氏(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科准教授) 司会:神保哲生 宮台真司

www.youtube.com本来アメリカの世論はリベラル、保守を問わず、中絶の権利を支持する勢力が多数を占めている。そうした状況の下で、最高裁が今回のような世論と乖離した判断を示したことの影響は、今後どのような形で表面化するのだろうか。世界ではカトリック教徒が多数を占めるラテンアメリカ諸国やアフリカの国々を含め、中絶の権利を認める国が大勢を占めている。今でも中絶を禁止しているのは、ロシアと中東のイスラム諸国くらいだ。こと中絶に関しては、アメリカは今、彼らが最も軽蔑しているはずの専制国家やイスラム国家群の仲間入りを果たそうとしているのだ。同志社大学准教授の三牧聖子氏と、ジャーナリストの神保哲生社会学者の宮台真司が未だに人工妊娠中絶が政治の主要な争点となるアメリカ政治の現状について議論した。

 

三牧 聖子 (みまき せいこ) 同志社大学グローバル・スタディーズ研究科准教授 1981年東京都県生まれ。2003年東京大学教養学部卒業。12年同大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門はアメリカ研究。早稲田大学助手、米ハーバード大学日米関係プログラム・アカデミックアソシエイト、関西外国語大学国学助教高崎経済大学経済学部准教授などを経て22年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代』、共著に『私たちが声を上げるとき』、共訳書に『リベラリズム 失われた歴史と現在』など。