民主主義のコストと利益誘導政治の境界線

マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。

■マル激トーク・オン・ディマンド 第462回(2010年02月20日
「政治とカネ」特集
民主主義のコストと利益誘導政治の境界線はどこに
ゲスト:富崎隆氏(駒澤大学法学部准教授)

<プレビュー>

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の土地取引をめぐる問題は、小沢氏自身が不起訴処分となったことで、とりあえずは収束の方向に向かっているかに見える。しかし、政権の中枢を揺るがした一連の事件が古くて新しい「政治とカネ」の問題をあらためて浮き彫りにした。
 そこで今週のマル激では、政治とカネの問題を、根本から再考してみることにした。
 まず、そもそも政治がカネまみれになる、つまり政治にカネがかかり過ぎたり、大量のカネが政治に注ぎ込まれると、どのような問題が生じるのか。
 計量政治学が専門で海外の政治資金制度に詳しい駒澤大学法学部の富崎隆准教授は、そこには2つのリスクがあると言う。一つは腐敗・汚職の危険性、そしてもう一つは政治への参入障壁だという。汚職や腐敗が民主主義の基盤を壊すことは言うに及ばないが、集めるお金の多寡によって政治参入の可否が決まることもまた、民主主義の平等原則に反する。
 そこで、政治にかけるおカネはどの程度なら適性で、それをどうやってコンロトールするかが、万国共通の課題となる。
 日本は今政治とカネの問題をどう考えるべきなのか。政治資金の国際比較なども交えながら、富崎氏と徹底的に議論した。

■インタビューズ (2010年02月19日)
単式・複式簿記の違いが解れば小沢氏政治資金問題は氷解する
細野祐二氏(公認会計士)インタビュー

 以前にマル激にも出演している「公認会計士対特捜検察」著者で公認会計士の細野祐二氏が、小沢氏の資金管理団体による政治資金収支報告書の虚偽記載問題は、単に当時の会計責任者だった石川知裕氏(現衆議院議員政治資金規正法違反で起訴)が、収支計算の基本となる複式簿記を理解していないことから起きた問題と考えてまちがいないだろうと指摘する論文を発表して、話題を呼んでいる。
 細野氏によると、何千何万という企業の財務諸表を見てきた会計士の目には、石川氏の行った収支報告が「真面目な性格で、複式簿記を理解していない素人が陥る典型的な過ち」(細野氏)であることは明らかで、同じく複式簿記を理解していない特捜検察が、それを勝手に解釈してストーリーを描き、その線に沿って無理な捜査を進めた結果、誰にとっても不幸な結果を生んでいると言うのだ。
 自身も検察と真っ向対決し、今最高裁の判決を待つ細野氏を、2月19日、築地の事務所に訪ねた。
 尚、細野氏が関与したとされるキャッツ事件についての詳細は、マル激トーク・オン・ディマンド 第363回(2008年03月16日)「公認会計士は、なぜ特捜検察と戦うのか」をご覧ください。

<今週のニュース・コメンタリー>

・小沢氏の政治資金報告書を会計士が見ると・・・
グリーンピース裁判で日本の司法が国際的関心事に
トヨタリコール続報
原口総務相が検察の裏金調査の意向

<関連番組>

■マル激トーク・オン・ディマンド 第437回(2009年08月22日)
権力が移動する時首相官邸で起きていること
ゲスト:武村正義氏(元内閣官房長官・蔵相)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第415回(2009年03月21日)
どのような政治活動を誰が負担すべきか
ゲスト:岩井奉信氏(日本大学法学部教授)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第363回(2008年03月16日)
[公認会計士は、なぜ特捜検察と戦うのか:title=公認会計士は、なぜ特捜検察と戦うのか]
ゲスト:細野祐二氏(公認会計士

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