制服少女たちの選択 完全版 After 30 Years

 

今から30年前。制服や下着を売ったり、パパ活援助交際)したりする少女たちが「問題」とされた。しかし、それは、買う男たちこそ問題であり、買わせる社会の問題ではないかと告発した書。
皮肉にも、著者が有名論客、著名文化人となってしまったために、かえって、その主張は理解されたとはいえませんでした。

 

 



当時の文章に、当事者座談会、若手社会学者による批判、作家の鈴木涼美さん、社会学者の上野千鶴子さんとの鼎談を加え、さらに宮台真司が大幅に加筆修正、書き下ろしを多数加えた名著の復刻・増補新版。
彼が誰に向けて、何を語り、何を語らなかったか。あの時、私たちは何を選び、何を選ばなかったか。いま、私たちは何を選ぼうとし、何を選び損ねているのか、あらためて、世に問いかけます。

目次

◉『制服少女たちの選択 完全版』まえがき
新しい『制服少女たちの選択』のために

◉単行本まえがき
わたしたちは何が「問題」なのかを発見することからはじめなければならないらしい

第Ⅰ部 制服少女がパンツを売る理由

◆第一章
パンツを売ってどこが悪いの?

◆第二章
団塊の親たちの無残な失敗

◆第三章
鏡としての「パンツ売り」

◆第四章
少女は郊外で浮遊する

◆第五章
「女子高生」というブランド

◉文庫版特別収録1 元援交少女座談会
大人になった制服少女たち――「記憶の中の〝あの日々〟」(中山美里×大泉リカ×山崎優子×宮台真司

第Ⅱ部 コミュニケーションの進化史

◆第六章
新人類とオタクとは何だったのか

◆第七章
無神論者たちの宗教ブーム

◆第八章
社会は「島宇宙化」する

◉単行本あとがき 宮台真司
選択可能性こそが伝達可能なのではないか
◉文庫版特別収録2 新旧研究者対談 (圓田浩二×宮台真司 司会:林智彦)
何が問われ、何が問われなかったのか

◉文庫版解説
宮台真司の〝転向〟 中森明夫

サブカルチャー神話解体文庫版あとがき
「何ゆえ自分はこうも過剰に空回りするのか」

◉文庫版解説 上野千鶴子
宮台真司はどこへ行く?

◉文庫版あとがき 宮台真司

現代はもうダメ。でも、断念された夢を語れた。

◉【完全版】特別収録3 上野千鶴子×鈴木涼美×宮台真司 鼎談
「制服少女たちのその後」を語る

◉【完全版】解説 鈴木涼美
されど愛しき元制服少女の選択