これからの「正義」の話をしよう

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル (著), 鬼澤 忍 (翻訳)

単行本: 384ページ
出版社: 早川書房 (2010/5/21)
言語 日本語
ISBN-10: 4152091312
ISBN-13: 978-4152091314
発売日: 2010/5/21

NHK教育テレビ毎週日曜18:00〜19:00で『ハーバード白熱教室』放送中(2010年4月4日~6月20日。全12回)。

ハーバード大学史上最多の履修生数をほこる超人気哲学講義、待望の書籍化!

推薦:宮台真司

1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? 金持ちに高い税金を課し、貧しい人びとに再分配するのは公正なことだろうか? 前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのだろうか――。

つまるところこれらは、「正義」をめぐる哲学の問題なのだ。社会に生きるうえで私たちが直面する、正解のない、にもかかわらず決断をせまられる問題である。

哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。

アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。

ハーバード大学史上空前の履修者数を記録しつづける、超人気講義「Justice(正義)」をもとにした全米ベストセラー、待望の邦訳。

著者について

マイケル・サンデル Michael J. Sandel
1953年生まれ。ハーバード大学教授。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。専門は政治哲学。2002年から2005年にかけて大統領生命倫理評議会委員を務める。
1980年代のリベラル=コミュニタリアン論争で脚光を浴びて以来、コミュニタリアニズムの代表的論者として知られる。主要著作に『リベラリズムと正義の限界』、"Democracy's Discontent"、"Public Philosophy"などがある。

類まれなる講義の名手としても著名で、中でもハーバード大学の学部科目「Justice(正義)」は、延べ14,000人を超す履修者数を記録。あまりの人気ぶりに、同大は建学以来初めて講義を一般公開することを決定、その模様はPBSで放送された。この番組は日本では2010年、NHK教育テレビで『ハーバード白熱教室』(全12回)として放送されている。

http://www.amazon.co.jp/dp/4152091312

ハーバード白熱教室NHK教育テレビにて放送中 (2010年4月4日〜6月20日。毎週日曜18:00〜19:00)。経済格差は悪か? 命に値段はあるか? 個人の自由と社会の利益はいかにして両立可能か──現代の道徳的ジレンマを鮮やかに問い直す。アメリ現代思想界の雄による、のべ1万4千人の履修者数を誇るハーバード大学超人気講座を元にした、ポスト9・11時代の正義と自由論。

ハヤカワ・オンライン|早川書房

リベラリズムと正義の限界

リベラリズムと正義の限界