なぜ今、排出量取引なのか

マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。

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■マル激トーク・オン・ディマンド 第463回(2010年02月27日)
なぜ今、排出量取引なのか
ゲスト:大野輝之氏(東京都環境局理事)

<プレビュー>

 この4月、東京都が国に先駆けて、CO2の排出量取引制度を立ち上げる。これは2005年にスタートしたEUのETS、アメリカ北東部10州が2009年から実施しているRGGIに次ぐ、世界で3番目の本格的な排出量取引制度となる。一自治体の制度とは言え、東京都は国に置き換えると世界で15位の経済規模を持ち、それはオーストラリアよりも大きい。いよいよ世界は本格的な排出量取引の時代に突入したと言っていいだろう。
 遅ればせながら鳩山政権も、自ら世界に向けて公約した2020年までの温室効果ガスの25%削減を実現するために、その基本政策をまとめた「地球温暖化対策基本法案」を今国会に提出する方針を明らかにし、目下その策定が大詰めを迎えている。しかし、基本法をめぐる議論の過程では、温室効果ガスの排出削減に大きな効果を持つと見られる排出量取引をめぐり、実効性のある制度を導入したい党内の環境政策推進派と、産業界や労働界の意向を代弁して制度導入に後ろ向きな姿勢を取る反対派の間で、激しい駆け引きが今も続いている。当初基本法には排出量取引を意味するキャップ・アンド・トレードの文言が含まれていたが、反対派の巻き返しに遭い、2月26日に発表された素案からはその文言が一旦は削除されている。その後、再度それが復活してはまた消えるといったことが繰り返されてているのが実情だ。ことほど左様にこの問題が揉めるのは、地球温暖化対策としてはこのキャップ・アンド・トレード実現の可否が大きなカギを握ることを、推進派も反対派も熟知しているからに他ならない。

(今週のマル激トークオンディマンド本編は、神保哲生萱野稔人(哲学者・津田塾大学准教授)の司会でお送りします。)

<今週のニュース・コメンタリー>

保坂展人リポート 普天間移設問題は普天間移設問題に非ず
朝鮮学校を無償化対象から外すべきか
・温暖化対策基本法が揉める理由
トヨタのリコール権限委譲を問う
(今週のニュースコメンタリーは、神保哲生宮台真司の司会でお送りします。)

<関連番組>

■特集 COP15現地リポート


■特集 気候変動関連番組


■マル激トーク・オン・ディマンド 第455回(2009年12月26日)
神保・宮台COP15現地報告:
新しいゲームが始まった
ゲスト:福山哲郎氏(外務副大臣)、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第442回(2009年09月26日)
温室効果ガスの25%削減は十分可能だ
ゲスト:飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第379回(2008年07月05日)
炭素税はCO2排出削減の決め手となるか
ゲスト:足立冶郎氏(NGO「環境・持続社会」研究センター事務局長)


■マル激トーク・オン・ディマンド 第368回(2008年04月19日)
これでいいのか、日本の排出量取引
ゲスト:諸富徹氏(京都大学大学院経済学研究科准教授)


■マル激トーク・オン・ディマンド 第459回(2010年01月30日)
なぜ普天間問題がこじれるのか
ゲスト:鈴木宗男氏(衆議院外務委員長)


マル激トーク・オン・ディマンド 第246回(2005年12月07日)
メリカ依存から卒業するためにも憲法改正は必要
ゲスト:石破茂氏(元防衛庁長官