大麻。この植物は、日本では「違法な薬物」というイメージが強い一方、海外では医療品・嗜好品・新素材として再評価・解禁され、「グリーンラッシュ」と呼ばれるほどの経済効果をもたらしている。
しかし、日本において大麻は「稲作より早くから栽培され、衣食住に用いられてきた農作物」だったという事実は、あまり知られていない。ほんの70年ほど前まで、大麻は日本人にとって非常に身近な存在だったのである。 本書では、「名称」「歴史」「農」「衣」「宗教」「文化」「食」「薬」「模様」「法」といった10の切り口から大麻を捉え直し、その本質を探っていく。
本書の刊行に際して、各界で大麻に関する活動を行っていらっしゃる以下の方々にご寄稿いただきました(掲載順)。
1.ライター 佐久間裕美子さん
日本でも大麻は「エッセンシャル」な存在となるか
2.精神科医 松本俊彦さん
大麻の取り締まりは健康問題であり、政治問題
3.リーバイ・ストラウス ジャパン
ヘンプを用いたSDGsへの取り組み
4.弁護士 亀石倫子さん
大麻は司法こそ取り組むべき問題
5.日本臨床カンナビノイド学会 理事長 新垣実さん
日本におけるカンナビノイドの可能性
6.社会学者 宮台真司さん
解放と統治—大麻の二面性と向き合う